2012年5月24日 林 季一郎

【隆日記】賄賂と対処法

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思えばカザフスタンに入ってから何度警察に止められただろうか。そしてその度に罰金という名の賄賂を要求される。当然ながら一円も払っていないので、ここまでくればもはやカザフスタン警察は大口のスポンサーだ。

警察に止められた場合はこのように対処する。基本的には道中あらゆるところでねずみ取りとして見張っており、スピードガンで写真を撮られている。こちらになにも非がない場合はパスポートと免許証を渡して適当に会話していれば済むのだが、何キロかスピードオーバーしていると少々面倒だ。ちなみにスピードオーバーといっても無理な運転をしている訳ではない。燃費のことを考慮し基本は80キロ、早くて100キロ弱しか出さない。だいたいはどこかに50キロ制限の看板があったのを見落としてオーバーする場合が多いのだが、日本とは違ってそこは広大な大地、正直スピードを遵守する方が難しい。この場合はパスポートと免許証を確認した後パトカーまで連れて行かれる。そこでここは何キロ制限なのに君は何キロ出していたぞと証拠の写真を見せられる。証拠の写真がない場合は警察が一生懸命説明してくるのを、もちろん100%理解しているのだが、何を言っているのか分からないというように困った表情をしておく。

その次は決まって親指と人差し指をはじきながら”シュトラフ、シュトラフ”とささやかれる。これがいわゆる賄賂の要求だがここでもよく分からないという表情を貫く。すると何やら書類を見せられて記入する動作をする。おそらくこれが正式な罰金の徴税書で本来はこちらに記入した後正規の額を支払うというルールなのだろう。しかしこれが出されたらもはや勝ったも同然。お金は持っていないのでどうぞ書いてくださいと促す。カザフの腐敗しきった警察は本業であるはずの書類作成はめんどくさいのか、その間にも他の違反者から賄賂を徴収したいのか、この日本人めんどくさい、もういいよといった具合にパスポートと免許証を突き出され、晴れて解放されるのである。一方、現地のカザフ人は警察に止められたら最後、別れ際握手すると同時にいくらか手渡しているので、この時ばかりは心底外国人でよかったと思う。

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