2013年3月20日 林 季一郎

ゴリラ登場とまさかのスタック

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6時起床。よし、晴れた。今日こそ水辺に集まるという動物たちを見にいくぞ。

いそいで支度をする。というより半パン、Tシャツにサンダルしかないんだけど大丈夫だろうか。ほら、普通ジャングルに入るときって、長ズボンとかブーツとか履く気がするけど。まぁいいでしょ

係員に先導され、物音を立てないように静かに歩いていく。水辺は300mほどいったところに、木立に囲まれて静まり返っていた。おそるおそる気の影から覗いて見たが、動物たちの 姿はなかった。どうやら時間が少しずれているらしい。

それでも係員の指差す方をみると、まさに自分たちが立っているところに、真新しいカバの足跡がくっきり残っていた。おぉ、こんなにデカイのか!てか、俺らが今通ったところカバも通るのかよ…

また後でくることにして、一旦キャンプに戻り、朝食の麺を食べる。30分後、一人様子を見に再び水辺に向う。

まだ動物たちは現れてない様子だ。30分ほど息を潜めて待っていると、水辺の向こうの方で明らかに水しぶきの音がした。残念ながらそこがちょうど死角になっていて見ることができない。よし、場所を変えてみよう。

そう思って、どんどん奥の方に分け入って行く。

次第に道は狭くなり、草が道を覆っていて、裸足には痛い。すると、途中で木の枝で道が塞がれていた。よくみると、ゲートのようになっていて「この先立ち入り禁止」と書いてある。残念だが引き返そう、そう思ってゲートの先の方を見た。

「あっ!」

驚いた。背の高い木々で一部が隠れているものの、明らかに檻と思わしきものが見えてのだ。高さ10mくらいはある、巨大なものだ。これが昨日言っていた保護ゴリラの檻だろうか。

でも、昨日の人が一般の人は見に行っちゃいけないって言ってたしな〜やっぱバレたらまずいよな〜。でもここまできたら一回見てみたいよな〜。

少し迷った末、近くまで行ってみることにした。

おそるおそる 近づく。人の気配はしない。どうやら飼育員もまだ来てないようだ。それにしても物音一つしない。大きな檻の中はがら〜んとしていて、動物の気配もない。あまりに不気味だ。さっさと帰ろう、そう思って戻ろうとしたその時だ、

「うわっ!いた!」

一瞬心臓が止まるかと思った。何もいないかと思っていた檻のすみに、身長1m50くらいはありそうな大きなゴリラが身動きせず、じっとこちらを見つめていたのだ。怖い、怖すぎる。

向こうとこっちは、鉄の檻で仕切られているものの、少しでも怒らせると、襲われてしまいそうな気がする。あまりに怖かったので、写真をとってはすぐに退散した。

一度キャンプまで戻り、もう一度、水辺にいくとアンテロープがいた。よかった、よかった。これで来た甲斐があった。

昼前になり、そろそろ出発しようという事になり車にもどった。

そして、昨日きた道を戻っていた時だ。直ったと思っていたリカさんのハイエースがまたオーバーヒートして、ストップ。

もうダメだということで、キャンプ場に戻って、そこのtoyotaランドクルーザーで引っ張っていってもらうことにした。

しかし、場所が場所だ。砂地のような山道をごぉーと轟音をたてながら引っ張られるハイエース。案の定、今度はランドクルーザーがオーバーヒートしてしまった。

まだ、災難は続く。次はデリカだ。

ちょうど尾根を走っているときだ。急に隆がハンドルを切ったかと思うと、ガン!!!という音と同時に、車体が道からはずれて尾根から転げ落ちそうになった。ぎりぎりの所で止まったが、もう自力では抜け出せなくなってしまった。最悪なことに、タイヤもパンク。本当に最悪だ。なんで隆はあんなところでハンドルを切ったんだろうか…

まずはパンクしたタイヤの交換だ。ただ、車体は傾いてるし、どうしようもない。しまいにはスペアを取り出すと、いつなったのか、バーストしてしまっていた。なぜだ。。

キャンプ場の人の全面協力のもと、1時間ばかりかけようやく交換、そして車体を復帰させることができた。いやー俺らだけだったら絶対無理だっただろうな。危なかった。。

その後も豪雨の中必死の思いで、元の舗装された幹線通りにでた。これで一安心だ。

そこから一路、コンゴの首都ブラザビルを目指す。途中、ハイエースのエンジンを冷やすために休憩している時だ。近くの民家から歌声が聞こえてきた。

なんだろうと思って近づいて見ると、どうやら教会のようで、男女がアフリカ独特のリズムにのりながら踊りながら歌っていた。あまりに心地よいリズムだったので、建物の中で聴かせてもらうことにした。

そして、宴がおわり、みんなが帰り出した時、そこの偉い人がこっちこっちと建物の中心につれていかれた。何だ何だと思ってついていくと、そこで、目を疑うような衝撃的なものを目にした…

「え…何これ?何この人?」

中央の柱の前に置かれた椅子には、小柄な中年女性が座らされていた。そして、なんとその人の足は足かせで柱に繋がれているではないか。。。

説明を聞いても言葉が分からないので詳しいことは分からない。でもどうやら、この女性は精神に障害をきたしているらしく、ここにつながれているようなのだ。

そして、先ほどの踊りでは、中央に座らされ、祭司のような人に頭をぐるんぐるんに回されていたのだ。どういうことなのか。理解ができないので、何とも恐ろしい気分になった。これが土俗のキリスト教というものなのかもしれない。

車にもどり、再び首都を目指す。
そして、暗くなったころ、ようやく街にはいった。事前にリカさんが調べていた、大陸縦断者がタダで泊まれるというホテルの駐車場で今日は就寝。いや、とにかく長い一日だった。

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