朝一で書類手続きを済ませ、久しぶりにまともな食事をとった。
ただの卵焼きだけど、ここ2日間というもの
りかさんのビスケットだけを食べていたので何を食べても今は本当にうまい。そういうもんだ
そのまま街をでて、一気に海岸沿いにある首都コナクリまで南下する。
とは言っても、舗装された道にはなってもいたるところは穴だらけ。
ちんたら走っていたせいですぐに夜になってしまった!
さらに街に入る直前には、1キロおきぐらいに延々にポリスチャックが待っている。
その都度、止まっては適当な受け応えをする。おい、これで10箇所めだぞ、もう深夜1時だぞ…
ようやく街に入った。しかし…
な、何という首都だここは
この世の終わりの町のように暗い。
電灯も所々にしかなく、暗闇に覆われた街は
入った瞬間に「ここはやばい!絶対危ない!」と本能が訴えかけてくる緊迫した空気が漂ってる。
首都のど真ん中だというのに
道はよくなく、一本メインから入ると、もう舗装ではなく、ぐちゃぐちゃの泥道。
いったい政府は何をやっているのか。まったく有り得ない状況だ。
銀行や店舗の前には、それぞれセキュリティの人が付いている。
しかし、このセキュリティの連中がまた信用できそうにない風貌だ。
とりあえず、中心を抜けて、王宮の前を通ろうとした、その時だ。
「止まれ!」
大統領府の門の衛兵が呼び止めてきた。
「おいおい、何だよ、面倒くせーな」と思いながらも
仕方がないので、しぶしぶ車を止めて
その時運転していた僕が連行されていきます。
連れてかれた先は、衛兵たちがたむろしている場所。
たむろ?いや、もう見るからに仕事中には見えない。
そこら中に、ビールの空き瓶が散乱してる…
(ヤベ~、早く切り上げて戻らなきゃ)
と思ってると、案の定、賄賂の要求。
おいおい、マジかよ、大統領の衛兵が一般市民をカツアゲ??(笑)
やっぱ、ここ終わってる。早く逃げよ。
しかし…
何故かこいつらがやたらしつこい。
普段なら「イェ~イ、兄弟~♪」みたいにやっとけば許してくれるのが
今回は一向に解放されない。
次第にこっちもイライラが募る。
向こうも見るからに、イライラしてきてる。
さっきまでワイワイしてた空気が重くなって
ついにボス登場。
で、こいつが完全に酔っぱらって目がいっちゃってる…
そいつ、無言で紙切れに何やら書いて渡してきた。
何だよ、と見てみると数字で
「100$」
そう、こっちが理解してないとみてわざわざ紙に書いてきた。
その瞬間、こっちの我慢の糸がプッツ~ンと切れた。
で、これ見よがしに、全員が見つめる前でその紙を
ビリビリに破いてやった。
次の瞬間…
ガチャ!一人が俺に銃を突き付けてきた!(ノー!)
と同時に周りにいた4,5人も全員ガチャガチャガチャ!!!(オーマイガー!)
一瞬にして、5つの銃口が俺の頭を
それこそ数十センチのところで囲んだ!
「あ、終わったかも…」
こっちも勢いでやってしまったものの
相手は酔っぱらってるし
言っちゃ悪いけど、この辺りの警察なんて
マジで気分で撃っちゃうわけだ。
そもそも何の訓練とかも受けてないのだから。
これまでも警察が市民を集団リンチしてるとことかも
たくさん見て来ている…
あぁ、マジで殺される…
でも、悪いがこっちもイライラが半端ない。
もう、撃てるもんなら撃ってみろ!ボケー!!
案外、こういう時は人間も開き直れるもので
もうやけくそで、相手を睨み返す。
瞬間、場の空気が凍りつく。
みんな無言でボスの動向をみつめる。
1秒、5秒、10秒
時間がやたらと長く感じる。
そして…
ボスが静かに一言。
「うせろ。」
いや~、この旅で一番死に近づいた瞬間だったぜ。
でも結局、ホテルへの道は通してくれなかったので、適当なところに車をとめて寝る準備をしていた。
すると…
パンツ一丁の黒人の若者二人が近寄ってきた。
え、裸?はだし?なにそれ?
首都の真ん中で、筋肉隆々の男がなぜかパンツ一丁で騒いでいるんだ。
どうなってるんだこの国は…
あぁ、もうおやすみなさい