2012年5月17日 林 季一郎

キルギスタン入国?

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アルマティーからアラル海までの長い長い道のりを淡々と進む。おそらく200キロくらいきたのだろうか。あたりはすっかり日が落ちて真っ暗だ。ようやく小さな街に入った。周りに店が続いている。今日はどこまで行けるだろうかと呆然と考えていると目の前には小さな渋滞ができている。どうせすぐ解消されるだろうと最後尾につけるが・・・なかなか解消されない。それもそのはず、渋滞の先にはゲートがあり、赤信号とともにその門は完全に閉じている。その下では警官がうろうろしていて何やら仰々しい。

 次の街に入るにはこんな関門を通るのかと不信ではあったが、信頼できるガーミン(カーナビ)の示す通りなので間違いはないはず。渋滞に巻き込まれた他の車の運転手もしびれを切らしたのかどうなっているんだと先頭まで様子をうかがうが何もできずに戻ってくる。まあ謎の渋滞というのはこういう国では珍しくはない。ひたすら待ち続ける他にないのである。  

一時間くらい待っただろうか。ようやく動きが見えた。ゲートが開いたと同時にどの車も一斉にエンジンを再会させ、我先にとゲートをくぐる。残念ながらまたすぐに門は閉まってまたしばし待たされることに。こんなところで足止めを食っている場合ではないのだが、もう少しだろう。

10分後ゲートは開きようやく関門はクリアした。と思うのは時期尚早で、皆車からおり何かしらの手続きを行っている。当然ながら僕も車を降ろされ、警察だか軍人だかがたむろする怪しげな雰囲気の中、意味の分からない手続きに並ぶ。一体ここはなんなんだ??次の街に入るのに何の手続きがいるんだ??流れに身を任せてようやく僕の番がきた。  

とりあえず書類一式を渡して適当に質問に答える。相手は悪い人ではなさそうで日本人の僕に興味を持っている。思えばカザフスタンでも日本人の印象は悪くないようで、単純に珍しいだけだろうが笑顔で握手を求められることが多い。特別問題もなく書類を返してもらい、最後にパスポートにがちゃんとスタンプを押す。  

最後にパスポートにがちゃんとスタンプを・・・ん?んん?パスポートに??なんでだ?!一瞬頭が真っ白になり慌てて確認するとカザフスタンVISAにしっかりと出国スタンプが押されていた。これは何?と確認すると相手は真顔で”キルギスタンに行くんだろ?”・・・終わった。

急いで車に戻ってガーミンを確認すると案の定国境の上にいた。経路検索するときに最短ルートで出すために国を跨いで経路を出していた。夜だったこともあって全くそれに気がつかず、悠々とキルギスタンの越えようとしていたのだ。なんとかこれは間違いでカザフスタンに戻ると伝えても、”一度スタンプを押しちゃったらもうカザフには戻れないよ”と。これはまずい!きいちは謎の体調不良で寝ているし、途方に暮れていると先ほどの相手がしょうがない何とかしてやろうとパスポートをもってどこかに駆けて行く。  

しばらくしてして戻ってくると一度押された出国スタンプの上にしっかりともう一つのスタンプが押されていた。おそらくキャンセルとかそういう意味合いなんだろうけど、とりあえずこれで出国はなかったことになったらしい。助かった。間違いなくカザフスタンを本当に出国する際には突っ込まれるだろうが、これは注意が足りなかった僕のミスなので二度とこのような失態はおかすまいと肝に銘じて、国境を引き返す。

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