2012年12月3日 林 季一郎

まさかの出国拒否!

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朝、デリカよりも幾分か重いハイエースのスライドドアをあけると、冷たい空気が車内に入ってきた。温かかった車内の空気が外に吸い出されていって、気づけば車内で吐く息までもが白い。急いで支度をして外へでた。晴れた空の日差しも、冷たい風にかき消されて、とにかく寒い。

りかさんの、毎朝の日課であるコーヒー作りを終え、9:30に出発。
あとは延々走り続け、3時前にはラバトのモーリタニア大使館の前についた。しかしだ、なぜか3時になっても窓口のドアが開く気配がない。ドアの前には、いつものごとくすでにビザの受け取りを待つひとが10人ほど並んでいる。3:30、もう待ってられん。もうこれは戻ってきたときに再申請すればいいだろう。

車に戻り、一路スペインへの渡航地点である、タンジェの港を目指す。

港に着くと、車を止める前から変な奴らに取り囲まれる。二つあるフェリー会社の営業連中らしいが、スペイン側と違って、あまりにも節度のないひどいやり方だ。互いに相手の会社を目の前で罵りあってる。それを見ながら唖然とする俺ら、その前で繰り広げられる醜い争い。もううんざりもしない、あきれるばかりだ。

とりあえず、一方で値段を確認して、「あっちはこの値段だったんだけど、もっと安くしてよ」を3回ほど繰り返して、もう下がらなくなったところで、購入。次は出国手続きだ。

窓口にパスポートを渡して、出国スタンプを押してもらう。戻ってきたパスポートを受け取り、そのまま車に戻ろうとした…。

「ちょっと待ちなさい!」さっきの窓口でスタンプを押した女性からだ。
少し悪い予感がしながらも、窓口に引き返した。

「ちょっと、パスポートを貸しなさい。」あ、はい….
ドンドン!(スタンプの上から何かまた押している)

戻ってきたパスポートに見入ると
「え!?出国スタンプ取り消し!?」

話しによると、デリカで入国した際に、俺の名義で入っているため、出国するときは一緒にデリカも出さなきゃいけないらしい。そうしないと、輸入したことになってしまい、関税がかかるからだろう。

なんという失態…。その後どう交渉しようと、一切聞く耳をもってくれない。そばのりかさんも愕然としている。対岸のスペインが目の前に見えるのに、ここで引き返すのか…。くそ!!!

1時間ほど粘るが、やはりダメらしい。もうどうしようもないので、街に戻ることにした。完全に気落ちしたりかさんの希望で、少し高めのスペイン料理を食べて今日は就寝。こうなった今、明日から一気に南下して隆達に追いつくしかない。自分が馬鹿すぎて笑えてくる…

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