2012年5月12日 林 季一郎

未来都市アスタナ!

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どうすっかな~。
これといって行くとこもないけど、とりあえず食堂で肉じゃがみたいな朝飯を済ませてから、ロンプラに書いてある見所スポットを一通りまわることに。

アスタナの街はイシム川を境に北と南に別けられ、その中でビジネス街、行政区域、商業区域と比較的きっちりと区分されている。ロンプラによれば観光は南側の辺りに行けばいいらしい。ガイドブック通りにっていうのもどうも面白味にかけるが、他に当てもないのでとりあえず川を越えて南に向う。

ごみごみしてた街並みは川を渡ったとたんに消え失せ、いきなり近未来都市に様変わり。道も片側四車線くらいのだだっ広いものになり、歩道も芝生やら石やらできれいに整えられてる。 さらに先に目をやれば、ド派手なモスクに、全面ガラス張りのピラミッド、クレーター型というかとにかく円柱を斜めにスパって切って真ん中を陥させたやうな意味不明な建物など、途方もない建築物があちこちにそびえ立っている。

これがアスタナか!これがオイルマネーの力か!すげぇ。
一人感心してしまった。地方から上京してきた友人が、初めあまりの都会ぶりにキョロキョロしたよって言ってたけど、そんな感じかも。

とは言っても都会的な発展ぶりだけを見ればもちろん日本の方がはるかにすごい。高層ビルの数、街の綺麗さ、それに人間の数だって全く比べ物にならん。でもそんな事じゃない、もう闘ってる土俵が違うって感じ。高層ビルの横にど派手なモスクがあって、その奥にピラミッドってもはや意味分からないでしょ…。色々雑なんだけどスケールが違うわけ。しかも全てまだ工事中。とにかくこの地域一帯が怒涛の建設ラッシュで、発展への情熱というか、熱気をビシビシ感じる。

とりあえず車をとめてその辺りを歩いてみるんだけど、車から見てるのと違って、とにかくスケールが馬鹿でかいから歩くが大変。遮るものもないから、太陽がいやに眩しい。暑い。

暑さから逃れようと建物に入る。そこが、アスタナの歴史と将来の展望を紹介するとこらしく、ガイド付きで回ってみることに。 階段を上がると正面に大きな絵があり、その説明から始まった。アスタナに首都が移った時の記念セレモニーの様子を描いたものらしい。よく見ると当時の首相の小泉さんもひょっこりいるではないか。ガイドの人に聞いてみた「へぇ~、小泉さんもいたんですね。」ガイド「あ、ミスター小泉ね。彼はきてないよ。実はこの絵の殆どは実際は来てないんだけど、とりあえず書き足しといたのさ!」「……。」

そして、最初のフロアに入っていきなりびっくり。フロア一面にずらーと2030年までにアスタナが目指すマスタープランが模型で紹介されてる。一面の高層ビル群、異様な形をした(芸術的とでも言うのかな)巨大な建築物があちこちに乱立してて、それら全てをミレミアムストリートとか言うらしい一本道が貫いている。

研究施設を研究者の居住区アパートで楕円形に囲った研究地区、ベニチィアをモチーフに高級アパートを人工の水網で繋げた居住地区、すべての政府機関が集まった中枢地区、などなど挙げればキリがないが、街全体がとんでもなく綺麗に区分けされ、それらを高速鉄道やモノレールでつなげるという、まさに途方もない計画だ。

聞けば日本からも黒川紀章さんがプロジェクトに参加してるらしい。縦40km、横20kmにも及ぶ壮大な計画も現時点では30%が完成済みというが、これが本当に全部できたらとんでもない未来都市になる。説明では財源は天然資源からの収益らしい。ドバイみたいだ

そしてガイドの人も自信満々な顔つきで説明してくるから、ぉお!夢がある!なんて思うわけ。この辺はロシアで感じた自分の国への諦めみたいな感情とは正反対だ。独立して20年余り、両者でこうも違ってしまうものなのだろうかと不思議に思う。 「近い将来、アスタナが世界の中心になる」そんな言葉もあながち嘘じゃないかも。

建物を出て、車で国会の建物を見に行くことに。 ちょうど、国会の前の道に入った時だ。ピッピー!と鳴ったので振り返るとパトカーから警官がでてきた。車を脇にとめ、いつもの如くパトカーに乗り込み、さぁ交渉開始だ。

罪状はスピード違反らしい。嘘だ、完全に速度は守ってた。スピードガンを見せてくれと言ってもNo,no!とかいうからなおさら怪しい。そして、手渡した俺のパスポートを懐にしまう素振りをして、こうされたくなかったらmoney,moneyと。余りにも露骨だ。金額はというと、俺のパスポートをペラペラめくった挙句、これだこれだと指差してくる。

覗いて見ると、以前使ったパキスタンビザに記載されてた40USDの部分をさしている。そんな適当なことがあるかよ… こいつもなかなかやるな。立法府たる国会の前で平然と賄賂を要求するとは見上げた根性だ。ただすまんがこっちもすんなり賄賂を払うほど人間ができちゃいないし、しかもあいにく暇だ。40ドルやるくらいなら何時間でも居座ってやるよ。向こうはこっちが理解してないと思ってか、何度もポケットにパスポートを隠すそうとする茶番を繰り返している。

「罰金なら、ちゃんとした書類に書くから、書類をくれよ!」

書類手続きが面倒なのか、そもそも書類の持ち合わせがないのか、それでもno,noとかいって茶番を続ける。15分くらい不毛な茶番劇が続いた。さすがに向こうも嫌気がさしたらしく呆気なく開放してくれた。

パトカーから降り、隆の待つデリカに戻った。 目に前には国会が重々しくそびえ立っている。灯台もと暗し…

その後は、ぶらぶらと買い物してみるも、案外高いし、久しぶりの観光に疲れたのでカフェに退散。そして晩飯も済まし、車で寝ようと歯磨きしてると、おっさん二人が絡んで来た。一人は片手にウォッカ、嫌な予感はした、が案の定、オー、マイフレンド!と飲ましてくる。写真を一緒に撮ったらまたもう一杯。記念品が欲しいっていうから昔の御守りをあげたら喜んでさらに一杯。しまいには、歯磨きにはウォッカで消毒うがいだーとか言ってラスト一杯。二日酔いにならなければいいのだが…

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