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■5月6日
禿げちらかしてた木々、見るからに冷たそうに流れる川
行く手を遮る羊やヤギの群れ、だるそうに尻尾をふる牛の列
そんな景色に囲まれつつ朝から快調に車は進んでます。
あれっ?
でも、写真で見たアルタイ(今いるところ)は夏真っ盛りで
景色も、もっとこう青々としてたはずだが…
なんて思ったりするけど、まあ、こんなもんかな。
俺らは、こんくらいがちょうどいいんだよw
そうして、道をひたすらくねりながら進んで行くと、集落が見えてくる。
山の斜面にあるもんだから、道路から下に村全体が一望できる。
丸太をそのまま組んで作られた、まさに木造建築って感じの家屋。
それまたいい塩梅で並んでる。
そのほとんどが木柵で囲まれていて、
それこそ歴史の教科書にでも出てきそうな「中世ロシア農村」の原風景みたいだ。
考えてみれば、ここまでのロシアでは本当に何でも柵で囲ってる気がする。
家屋はもちろん、何かあると必ず柵で囲まれている。
しまいには、何もないスペースにただ柵の囲いだけあることもある。
一見、牧畜か何かだろうと思ってると、
柵のすぐ外でのんきに牛かなんかが草を食ってる。もはや何の為なんだか…
そうした柵の文化も、やはり歴史的に領土を拡張し続けてきたのが影響してるのかな?
前に家に泊めてもらったセルゲイの親父さんも、ロシア人の領土意識は強くて、
それが北方領土問題にも影響してるって言ってた。
やっぱりそこら辺の感覚は、日本人、しかも首都圏に住んでる俺らには分からない。
話が転々としてしまってるけど
10:00頃にロッジを出てから、とにかくずっとアルタイの大自然の中を走ってる。
途中、またポリスチェックに捕まった。
今度はヘッドライト不点灯の罪らしい。ちなみにロシアは昼間でもライト点灯が義務付けられてる。
それでも結局はいつもと同様、罰金なしの注意のみですぐに解放された。
ちなみにこれで、スピード違反、追い越し禁止違反、ライト不点灯と
不本意ながらトリプル違反を無事達成したわけだが
一回も罰金だの賄賂だのを取られることはなかった。
ロンプラの情報だと
「ロシアの最大の危険、それは警官の賄賂です。」
なんて冗談まじりで書かれてたからかなり警戒してるけど、実際は全然違った。
賄賂はもちろんないし、下手したら日本の警察より対応は優しかったりするわけ。
ロンプラの情報は何だったんだと思いたくなる。
そりゃもちろん、運が良かったのか、はたまた、対応の方法が良かったか
それか他の理由があってのことかもしれないけど、そこまで神経質にならなくていいと思う。
これはロシア全般に関しても言えることだと思う。
なんか日本にいた時はロシアって聞くだけで、悪しき社会主義的なイメージをもってたけど
実際は違った。別に他の外国と一緒。
ただやっぱり言葉が通じないからちょっと壁を感じてしまうだけ。
先入観ほど人を縛り付けて、不自由にしているものはない。
結局、問題は自分の中にあるのかもしれない。
また話が逸れてしまった。
どうもロシアがもう終わる~と思うと分かったような発言が出てきてしまうから良くない。
気をつけようっと。
さぁ、大自然のドライブは続く。
どうですか、この景色♪
とにかくそんな大自然を満喫してるうちに、まわりも大分暗くなってきた。
そして、ガソリンも残り少ない!
しかも、気づけばガーミンの地図が切れてしまって現在地が分からない!
ん~、確かコシュ・アガッシュみたいな町より先は
モンゴルとの国境近くで許可がないと入れない区域
そこを知らずに越えた青山さんは捕まったとか(恐ろしい…)
てか、ここどこですかー!?
(ちなみに、体調不良の隆は後ろで睡眠中~)
迷った挙句、残りのガソリンでぎりぎり引き返せる所まで行ってみて
何もなければ引き返そう、ということにした。
そして、結局880km標識の辺りで引き返した。
あとで調べたら、890kmがコシュ・アガッシュの町だったらしい。あと少しだったのに…
しかし引き返して丁度ガソリンの警告灯が表示されたところで
ガソスタがあったので給油。ふふふ…我ながら完璧な計算(ニヤニヤ)
そこから今日はもう寝ようと近くの集落へと入る。
そんなわけで車をとめて歯磨きをしていると
数人の少年たちが興味深々の目つきでドアをどんどん叩いてくる。
「おいおい、もうこっちは眠いんだよ~」
と思いながらも、しょうがなく外にでて対応してると
どんどん集まってきて、この小さい村がちょっとした騒ぎに。
その中の一人が名前を「ストウ」とかいうらしい。
面白いから「須藤」と命名して紙に漢字を書いてやったら意外にもかなり嬉しそう。
なんと、お返しに俺にも名前を付けてやるってさ。
俺:「お、いいねー!でどんなだ?」
ストウ:「ん~、じゃあ、ピョートル。」
(え、きいちろう=ぴょーとる??)
俺:「おう。ありがとなw」
おやすみ~
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