2013年10月3日 林 季一郎

「あなたじゃこの山は登れない」だと…

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おはようございます!

さて、いよいよチンボラソ山(6310m)への挑戦の準備に入ります。

しかし、その矢先に言い渡された一言で意気消沈…

さぁ、どうなる、俺の挑戦??

 

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■9月27日

今日は起きても、何だか気分がすぐれないのです。

体はベトベトしてるし、頭はかゆいし。

 

そう俺ら、「お宿 桜子」を出発して以来

実に、一週間もシャワー入ってない!

 

しかも…

 

ずっと湿度の高い海岸線を走ってきて

途中、砂漠に突っ込んで砂まみれになって

リゾート地では、ビーチでのんびりして

 

もう、全身ベトベト。

あぁ、どっか綺麗な川があれば飛び込むんだけどなぁ~

 

だからもう、不快で不快で仕方がないのです。

まぁ、これも車旅なら仕方がないこと。

さぁ、今日も頑張ろっと♪

 

今日やることは

1.チンボラソ山(6310m)挑戦の情報収集と登山ガイドを探す。

2.その資金集め企画用のページを作る。

 

まずは、ガイドブックを便りに旅行会社を探す。

一つ目のところは、

ガイドブックでもおすすめされてるところ。

 

早速、中に入って聞いてみた。

 

俺:「すいませ~ん。チンボラソ登山のことを聞きたいんですが。」

女性担当者:「あ~はいはい。」

 

そして、山の概要、登山計画、装備、費用などの説明を受ける。

親切に色々教えてくれていたのだが、ある一言をきっかけにガラッと対応が変わった。

 

女性担当者:「ところで、あなたは登山経験者ですか?」

俺:「え~と…素人です!笑」

 

女性:「それじゃあ、厳しいと思うわ。」

俺:「え、でも、ボリビアのワイナポトシ(6088m)なら登りましたよ!」

 

女性:「あれとは比べ物にならないわよ、チンボラソは。経験者でも難しい山よ。」

俺:「そうなんですか…。でも、挑戦してみたいんです。」

 

女性:「登頂率は30~40%。ここ数か月、素人で登頂に成功した人はいないわ。それでも!?」

俺:「え。。。」

 

(というか、この人何でこんなに脅してくるんだよ泣)

 

そこに追い打ちをかけるように

女性:「しかも、今は雪の状況が悪いわ。固くて、かなり登りつらいの。」

 

ここまで言われて

「それでもお願いします!」というほどの自信はないので

一旦、退散することにした。

 

はぁ、やっぱチンボラソは難しいのかな…

そう思って、しばらく近くのカフェで日記を書くことに。

 

挑戦が難しいとは言われても

挑戦のための資金集め企画のページは作らなきゃいけない。

だって、採用されちゃったからね(笑)

 

(※旅で稼ぐ企画⇒「世界で一番高い場所に、あなたのメッセージを書きます」

 

そして、昼過ぎ

もう一つの旅行会社に行ってみることにした。

 

地図を便りに、10分ほど歩いて到着。

 

あれっ?おかしいな~

場所はここのはずなのに、オフィスなんて何もないぞ。

 

周りを探しても、見当たらない。

と、その時、ふと別の旅行会社があることに気がついた。

 

 

え、気がついた?

そう、このオフィス、なんか変な感じなんです。

だから、てっきりレストランか何かと思った。

 

とりあえず、おそるおそる中に入ってみる。

 

がら~んとした空間で、何もオフィスらしきものはない。

ただ、おじさんが、木を削ってるだけ?(笑)

 

え、なにここ、大丈夫かよ?

おじさんに聞くと、上の階に行けという。

 

そして、狭い階段を上っていくと

デスクが一つ置かれただけの、フロアにでた。

そこに、白人のおじさんがニコニコしながら座ってる。

 

 

何かここ不気味だな。

軽く情報だけ聞いたら、さっさと出よっと。

 

俺:「あの~、チンボラソのことを知りたいのですが」

おじさん:「ハ~イ!ようこそ!はいはい、チンボラソね♪」

 

先ほどの会社とは打って変わって

満面の笑顔で対応され、席も与えられる。

あ、この人は凄い好い人そうなだなぁー。

 

そこで正直に、この挑戦がそもそも出来るか不安だと伝えた。

すると、返ってきた返事は意外なものだった。

 

ジョン:「ん~そうか。素人でも登れることは登れるさ。それに、何よりこれは「チャレンジ」なんだ。」

 

チャレンジ!おお、それだよそれ!

この言葉にどんだけ勇気づけられたか。

 

さらに、ここの会社は

登山を手配するだけの他の会社とは違って

この人自身がガイドも務めるらしい。

 

というか、カナダ在住のこの人が

単純にアウトドア好きでやってるらしい。

 

どうしよう?ここにしようかな~

 

そして、この人の前の彼女が…

ここのJICAでボランティアをしてた人ということで

まさかの大の親日家。

 

よし、決まりだ!ここにしよう。

そして、二人で登山計画を練っていく。

 

 

一番の問題は、リマ(海抜ほぼ0m)に長い間いたことで

高度順応していた体がどれくらい戻ってしまっているかだ。

 

ネット上の「チンボラソの登頂記」を片っ端から読んだところでは

結局は、高度順応がうまくいったかどうかで勝負が決まるらしい。

 

なので、出来る限り、高度の高いところで車中泊して

体を慣らすことにした。登山計画はこんな感じ。

 

今日(27日) 夜、自分の車で、チンボラソの入口(4400m)まで行き、そこで寝る。

明日(28日) 朝に一旦町に下りて、夜はまた登山口で車中泊。

明後日(29日) 出発。ベースキャンプ(標高4800m)で泊まる。

明々後日(30日) 未明に山頂に向けて出発。午前7頃の登頂を目指す。

 

よし、これで登ることは決まった。

あとは…

 

無い挑戦資金をどうするか(笑)

 

すぐに、挑戦のための資金集め企画のページを仕上げていく。

ただ、ネットがぶつぶつ切れるし、そもそも遅いしで

とにかく、アップできない!

 

モロッコで『世界のバザールで買い物体験 – BUYBY』を作ったときもそうだったけど

こういう時のイライラは尋常じゃない。

 

 

ネットを求めて、店を移動して

そこのネットが切れたらまた次を探す。

 

結局、4軒もハシゴしてやっとアップできたー!

 

でも、この時点でもう夜の8時過ぎてる。

いや、これからチンボラソ山の4400m地点まで登るのか?マジか?笑

 

 

街を出て、ハイウェイを走ること30分

チンボラソのふもとまで通じている山道に入った。

 

 

3200m…3500m…4000m…

 

急な坂道を、ゆっくり登ってく。

低速ギアが唸りをあげながら

ヘッドライトの明かりだけを頼りに暗い山道を走る。

 

それでも窓から横を見ると

暗い中にも、さらにどす黒い山影が見える。チンボラソだ。

 

いや~やっぱデカいな(笑)

暗いから、やたらと威圧感あるし。

 

そして、21:30、ついに登山ゲート(4400m)に到着。

セキュリティの人に事情を説明して、中にある空地に車を止めさせてもらった。

 

 

俺:「あ、明後日、チンボラソに登るんです!そのために高さに慣れなきゃいけないんです。」

係員:「そうか。それなら泊まればいいよ。あそこの水とかも自由に使ってくれ。」

 

 

 

車から外にでると、思ったほど寒くないので驚いた。まったく凍えるほどじゃない。

この地点でも、富士山の山頂よりも700mは高いのに

おそらく氷点下もいってないんじゃないかな?

さすが、赤道付近だけあるね。

 

ただ、遮るものが何もないので、風はやたら強い。

少しでも外に出ようもんなら、手がかじかんで痛い。

 

それで、急いで車に戻ったら

もうそれだけで、息が切れてる。

あまり意識はないけど、やっぱり空気は薄い。

 

夜空には、まさに満点の星空。

そのすぐ下に、チンボラソのどす黒い影が見える。

 

あぁ、3日後にはあそこを登ってるのかと思うと

正直、今の時点では、ワクワクよりもはるかに不安の方が大きい。

 

あとは、この数日で、どれだけ気持ちを高められるかだね!

おやすみ!

 

 

ただ、高地順応のためにも、すぐに寝たら駄目なので

この日記を書き終えてから、夜11時に就寝。

 

(※寝てる間は酸素をそこまで必要としないから

高い所に来てすぐ寝ちゃうと、空気の薄さに体が慣れないのだ。)

 

いよいよ始まった標高6310mへの準備。

さぁ、どうなる俺の挑戦??(つづく)

 

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