2012年6月29日 林 季一郎

船内の様子

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目を覚ますと、ベッドがゆっくりと揺れているのに気づいた。お、出発したのかな。窓から外を見ると確かに陸地はとうに見えなくなっている。7:45少し早いが、起きて食堂に入ってみると、おっさんが1人が長椅子に寝ているだけで、他には誰もいない。空いている席でしばし本でも読む。窓から時折入ってくる冷えた海風が心地良い。久しぶりの落ち着いた朝だ。

そんな穏やかな時間もしばらくすると、船の揺れが大きくなると、穏やかならぬものとなる。船は右に大きく傾いたと思うと、今度は左へ。その揺れも次第に激しくなっていき、気づけば立ってるのもやっとだ。一旦、部屋に戻り、今度は隆と一緒に朝食を食べに食堂に戻った。

その頃には、5、6人のトラック運転手であろう乗客が早くもトランプに勤しんでいた。朝食を待つ間も揺れる船内に幾分か気持ちが悪くなってきた。まわり皆も同じなのだろう。1人は顔面蒼白になり、テーブルに突っ伏している。かと思うと、突然立ち上がり一目散位に食堂を出て行く。我慢出来ず吐きにいったのだろう。おえっ、こっちまで気持ち悪くなるだろ。

飯がくる頃には、二人とも食欲はゼロ。隆は一口も食べずに部屋に引き上げて行った。何も食べたくないが、パンをすこしとゆで卵だけを口に放り込み俺もベッドに戻った。揺れる船内もベッドで横になってる分にはなぜか平気なのだ。

二段ベッドの下で仰向けになりながらぼ~っと部屋の中を見渡す。昼間だというのに、なんだろうこの薄暗さは。汚れが目立つ床には、蟻やらハエがあちこちを這っている。部屋で唯一の窓からは時折あがる波飛沫がみえる。隣のベッドでは、おっさんが死んだように虚ろな目付きで天井を見上げている。向こうから見たら俺もそんな様子なのだろう。

何時の間にか寝ていたようだ。気付いた時には既に15時をまわってい。リュックから本を取り出して読みだす。19:30になると、夕食を食べに1人食堂に向かった。隆はいらないらしい。食堂のおばちゃんに声をかけると、奥から米を出してきて「これ食べるか?」みたいにやってきたのでそれでお願いした。

しばらくして、飯が出てきたといので取りにいく。驚いた。米は米なのだが、丼に山盛りに盛られた米と、脇に添えられたパンだけなのだ。いやいやいや、いくらなんでも白米とパンって組み合わせがあるかよ。しかもこの米、油でベトベトでかつ何故か甘い。それが船酔いと合わさり吐気を助長してくる。少し口にしてもうダメだと思い、おばちゃんに肉はないのかと頼むと奥から旨そうなチキンが出てきた。これだよこれ、で幾ら?無料!?何だそれは、まぁ有難う!

チキンだけを平らげ、米はほとんど残してしまった。もしかしたら、日本人だから特別に作ってくれたのかもしれないと思うと申し訳ないが、さすがに日本人も白米だけでは食わないのだよ。

部屋に戻り、しばらく本を読んでから眠りについた。起きる頃にはバクーだろうか。

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