ドンドン!ドンドン! 部屋のドアを誰かが叩いてる。ん、それとも外の音か?いやこりゃドアだな。隆が開けると港から電話だという。お、きたか。てことはやはり今日出港するのかな。時計をみたらすでに9時を回っていた。くそ、蚊のせいで全く寝れなかった。頭が重い。急いで服をきて下へ降りて電話をとると、「どうした、寝てたのか?あはは」余計なお世話だ。 案の定、船がきたというから、30分以内に行くと伝え急いで部屋に戻り、荷物をリュックに詰め込み車に向う。8年ちかく連れ添ったこのリュックもさすがにガタがきたのか、チャックが一切閉まってくれない。荷物がふきだしている。出発までに新しいのを買うかな。
港湾事務所に入り手続きを進める。起きてから30分も経ってないし、寝不足だ。眠気眼をこすりながらってやつだ。訳のわからんロシア語も今は異様にうっとおしい。不機嫌に対応する。手続きも終え、お金の支払いも完了。車と人で20000円もしないとは、本当にあってるんだろうな…心配だ。目の前の担当官のにやけた顔が、さらに不安を煽る。本当に、これで、全部なんだよな。
そのあと、港の敷地内を延々たらい回しにされたあげくだ、途中で「昼飯だから、あとでまた来てくれ」と。ふざけるなぁーーー!あんたらが俺のiPadで遊んでるから時間なくなるんだろうが!さっさと仕事をせい、仕事を!こっちも朝からのまず食わずでやっとるんじゃぁぁいい!!気づいた、寝不足と空腹で俺も明らかに機嫌が悪いようだ。
結局諦め、一旦町に戻って腹を満たす。ラーメンみたいなやつ頼む。すると、予めスープに既に麺も入っていて、見るからにカピカピになってやつを出して来る。お、おいまさか…。慣れた手つきでそのままレンジに入れられチン。一口食べてみる。のびきってるよ、そりゃあ。その後は、洗車をしたのち港に戻る。最後の手続きを済ませると、船が出るのは深夜だという。まだ16:30、太陽もギラギラだ。よし、オイル交換にいこう。
オイル交換をしてると、横でタイヤの修理みたいなのをやってるので、お願いしたらすんなりやってくれた。あれ?でもパンクしたタイヤって外のゴムかえなくてもいいわけ?何か中にチューブ入れただけみたいだけど…心配なのでオフロードセンターの崇さんにTwitterで聞いておこ。こんな時すぐに質問できるのは本当に助かる。アポロ13が故障した時のヒューストンみたいな?いや違うか。まぁいつもこちらの勝手な質問にも丁寧に答えてもらい本当に有難すぎる。いや、頭があがらない。
良かったよかった、これでタイヤも大丈夫そうだ。そうだ、今の間に故障中のサブバッテリーでもそろそろ見ておこうかな。アラル海で故障してから、実に1ヶ月も放置してしまってたのだ。いや作業するには暑かったからさ…
で色々説明書を取り出してくる。ふむふむ、これがバッテリー本体で、こっちがACDC変換機か。ん、すると一番下にあるこれは何だ?あれ、しかもここみも電源スイッチみたいなの付いてるじゃん。ポチッとな。ウィーーン……うぉー直ったー!いや、ていうかこれだけだったのか…バカすぎて、恥かしい。 あとは、車体の底からギシギシっていう異音と、エンジンのかかり方が気になるけど、時間がない、バクーに行ってからディーラーにでも行こう。そのまま船内用の飯を買い込んで港へ再び向かう。車を港内にとめ、待合室でまつ。
22:00「予定の時間ですけどまだですか?」「まだです」
01:30「あの、いつ出るんでしょうか?」「んー、まだかな~」
03:45「あの…」「あはは…」
今日のところは車に戻ってもう寝よ。