昨日のうちにシムケントの町まできたらしい。寝てて気づかなかったが、ウズベキスタンとの国境近くの主要都市だけあってかなり近代的な街並みが広がってる。体調も戻った。さあ行こう。
街を出るとまた砂利道が続くんだけど、もう慣れたもんで隆も結構スピード出して、ご、ご、ご、ご、ごぉーーー!って感じで進むもんだから助手席の俺は冷や汗もんだよ。
いやそれにしても車内は暑い。太陽は鬱陶しいし気晴らしに手を思いっきり外に出して風を感じてみた。ぶうぉ~っていう轟音とともに、手のひらにすごい風圧だ、気持ちいいっーー!手のひらぐっと握ってみる。何かを掴んだ気がしても、何も掴んでない。見渡す限りの砂っぽい大地、鬱陶しい太陽め、そう思っても俺らには何も出来はしない。与えられた道をひたすら耐えながら、進むだけ。ん、なんだこれ…
うわっーーーー!いきなり目の前の道がなくなって、1mくらいの段差を落下した!
いきなりのことでハンドルも切れず、悲鳴とともにひゅーんと一瞬宙を飛んだわけだ。着地と同時にボっコンて車軸が悲鳴をあげ、車体の底も思いっきり打ちつけた。それでも走行には影響ないらしく、そのまま車を走らせる。
「やばいな~、こんなんで最後まで車がもつんだろうか。オフセンの斉木さんに怒られる~」内心はびくびくだ。 そんなこんなこともありながら今日は道の端に車を止め、早めの床に着いた。明日はとうとうアラル海だ。