時計をみたら朝の6時だ。いつの間にか夜が明けていた。
それでも会場の人数はほとんど減らず、大富豪中国人グループも不眠不休でルーレットに勤しんでる。俺はさすがに疲れたのでそばの食事席でぼーとテレビ見てる。無料の豪華ビュッフェがあるんだけど、昨日ここぞとばかりに腹にぶち込んでるから、胃もたれがすごい。睡眠不足の身にはに会場の華やかな雰囲気もこたえる。気持ちも悪い
ようやく10時くらいになり、しびれを切らし警備員にきいてみた。「いつATMの人来るんですかー?」と。担当は昨日と違う人だ。「え~と…何の事でしょうか。」おいおい、頼むよマジで。しばらくもめてるとマネージャーらしき人が来てくれた。「どうしたんですか?」「いやいや、昨日こうこうあって、今日の朝には係が来るはずなんですがどうなってんですか?」 あきらかに、昨日の人から話しが伝達されてない。愕然とした。既に昼前で、ビザの申請の為に早く町に戻らなければいけない。その人の話では、「銀行の人はすぐにはいてくれない、昔同じことがあって2週間たってやっと取り出せた」と、本当に申し訳なさそうにしている。2週間!?マジでか。とりあえず、冷静になって考えてみた。まずは、カードの利用明細を調べて盗難されてないか調べよう、あと、一時的に利用停止にした方がいいな。すぐに車に戻り、ipadでスカイプを使って銀行に電話した。停止手続きも完了して、車から降りようとしたとき、隆がホテルから出てきて、困惑した様子でこっちへ向かってくる。どうしたのか、また問題か。
どうやら店員がパスポートを要求してきたらしい。どういうことだ。とりあえず、ホテルに戻ってパスポートを恐る恐る差し出す。すると、右手で手に取った俺のパスポートと、左手に持ってるカードみたいなのを見比べてる。ん?えーーー!それ俺のカードじゃん!!!
ってことはだ、普通にATMの下に落としてたのか…笑
英語が通じないから実際はどうかわからないがそれしか考えられない。 ふぅ~何はともあれホントにほっとした、マジで。
さあ、今度は町へダッシュで戻ってビザだ! 何とか町にもどり、ネットカフェへ行くと今度はサーバーが復活してて、申請書をゲット。そのまま大使館へ急いだ。
また住宅街に入り大使館の前で車をとめる。なにやら今日は待ってる人がやけに少ないな、ラッキー。そう思って事務室へ入った。するとだ、ガードマンがすかさず横からブロック!!え、なになに?「今日は定休日だ。」
おぉ、まじか。ロンプラにも定休日は明日って書いてあるのに…。
昨日からの疲れで反論する気力もない。二人、無言で車に戻った。
というかじゃあ外の待合所でのんびりしてたのは誰だ。近所の人の憩いの場かよ…。仕方なく再び街中へ向かった。
もはや明日までやることはない。そこで、ガイドブックにあったロシアの銭湯に行ってみることにした。とにかく、心身ともに全てを取り戻すのだ。ちなみに、結局カジノでは8000円を失った。もはや疲れ果ててる俺らには、そんなことはどうでもいい、とにかく風呂だ。
ギリシア建築のような荘厳な建物に入り、1000円もするチケットを買って入る。地元の人は毎回こんな高い風呂に入ってるのだろうか、そんなことも今は考えない。
そそくさにロッカーに詰め込み、中に入った。入るとすぐシャワーがいくつも並んでいる。とりあえず体を洗い、今度は階段を上がると目の前に円形ドームの天井の下にプールみたいのが現れた。これがお風呂か?手を入れると冷たい。ただのプールみたいだ。それにしても映画の中の世界だ。『テルマエ・ロマエ』だ。
一旦プールはスキップして次の階へ。そこにもシャワーがあり、奥では大理石でできたようなテーブルの上で人々がマッサージを受けてる。お前もどうだ、と進められるがお金がなくあえなく断念。そばには、ロシア式、トルコ式、フィンランド式、の3つのサウナがあった。
まずは、ロシア式に入ってみる。しかしだ、これがとんでもないとこで、もはやボイラーそのものに入るみたいなもん。とりあえず尋常ではなく熱いのだが、階段状になっていて上に行くにつれて、さらにどんどん熱くなっていく。我慢して一番上の椅子に腰かける。ふと隣の人見ると、なにやら木の枝で体をトントンと叩いてる。しかも、頭にはかわいいニット帽のようなものを被ってる。よくみると、周りみんなそうしてる。これが作法なのだろうか。その木の枝がこれ(外で売ってた)↓ ↓ ↓
そうこうしてると、係の人が入ってきて、ボイラーをあけた。おや、何か投げ込んだぞ。バシャ、バシャと二回、ん?熱くなってきたぞ。さらにバシャバシャと三回、四回。いやいや、これはまじでやばいぞ。背中がやけどしそうだ、息もできない。もう無理だ!それで急いで出口へと向うんだけど、動けば動くほど全身が焼かれる感じがするし、意識も朦朧としてくる。何とか外にでれた。何なんだこれは…
風呂も出てすっきりして、後はカフェでのんびり作業を。長い長い一日間だった。