2013年11月25日 林 季一郎

パナマ渡航ついに完結

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■11月18日

 

「おはよう!みんな!」

 

朝から元気なオーナーのフリッツの声が船内に響く。

それと同時に、寝ていた客室の椅子から、だるい体を起こして

船上の唯一の楽しみである朝食を取りに行く。

 

そもそも椅子で寝ていては船員の邪魔だからね。

(ってなんで乗客の自分がこんなに気を使ってるんだよ…)

 

ガソリン不足での漂流生活も今日で4日目。

さすがのフリッツも、俺に気を使ってかすごく愛想がいい。

 

フリッツ:「確か日本では寿司と一緒に生姜を食べるよな。

ほら、これは生姜マーマレードさ。ぜひ試してみなさい♪」

 

いや、俺が欲しいのは甘い生姜とかじゃないんだよ。

船は出るの?出ないの?

 

 

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フリッツ:「今日の正午まで給油船を待つ。それでもこなかったら我々も岸に戻るよ。」

 

俺:「そうなのね。そしたら悪いけど、俺は朝一で船を下りるよ。

もしかしたら今日中に飛行機でパナマに着けるかもしれないからね。」

 

フリッツ:「そうか。すまないな…」

 

そう言って、全額払い戻してくれた。

さすが、オーストリア人のフリッツ、そこら辺はちゃんとしている。

 

これが現地人だったら、ノー払い戻し&大揉め必至だからね。

結局、3日間のタダ飯とタダ宿ってことで良しとしよう♪

 

18 (2)

(油と塩のご飯が朝食。お世辞にもウマいとは言えない!)

 

さて、下りると決まれば、今すぐにおりたい。

そして、すぐにでもこの国を飛び出したい!

 

一分一秒でも早く国を出たいというのはインド以来の快挙。

カルタヘナは堂々の世界第二位に帰ってきたくない町にランクイン。

 

そんな時、一緒のテーブルについていた船長のロバートの電話が鳴った。

しばらく話しこんだ後、ロバートが叫んだ。

 

ロバート(船長):「何だとぉー!」

 

フリッツ(オーナー):「どうした?」

 

ロバート:

「いえ、給油船が明日になるそうです…」

 

(やっぱりね。。。)

 

ロバート:

「昨夜の雨で、給油船が進路を間違えて、かなり南に流れ着いたそうです。

だからここに来るのは明日にずれ込むそうです。」

 

 

雨で進路を誤った?15少年漂流記かよ(笑)

 

 

それに昨日の話だと既にコロンビアに着いていて

他の大型船の給油をしているって話じゃなかったっけ??

 

まぁそんなことは自分にはもう関係ない。俺は岸に帰る!

結局運航中止になったフェリーをフリッツはじめ皆と一緒に下りる。

 

モーターボートが岸に着いた。

4日ぶりの陸地、うん揺れてない!最高!

 

18 (3)

(船長のロバートと)

 

そして街中に行く自分だけがバスに飛び乗った。

4日間、寝食をともにした(?)謎のメンバーともここでお別れ。

お互いの健闘を祈って、Salud(さよなら~)!

 

 

そしてその二時間後…

 

 

一刻も早くカルタヘナの街から脱出するためにバスに飛び乗った。

 

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向かう先は、もちろんカルタヘナ空港!脱出だ!

 

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(お洒落な車内。謎の助手席の男にずっと見つめられ続けた)

 

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俺:「このバスは空港行きですよね?」

運転手:「あぁ、大丈夫だ。」

 

 

で、下ろされた先

 

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違う!!!!

 

確かに、AEROPUERTO≒空港だけども…

 

これはレストラン!

 

こんな調子で、ここら辺から再び体調が悪化してくる。

もとから今朝測ったときに熱は38℃だったけども

頭痛もひどくなってきた…

 

しばらく歩いて、何とか空港に辿りつく。

 

18 (8)

 

ひゃ~、これでようやくコロンビアを脱出できるよ~。

とにかく街を早く出たかったので、19:00発の便のところを

15:00には空港に到着していた。

 

しかし、当然のごとく問題発生!

 

18 (10)

 

チェックインカウンターに行くと…

 

担当者:

「19:00発の便ですけど、途中での乗換時間が少ないので

よかったら一つ早い17:15発の便にしましょうか?」

 

自分:「ん~、じゃあそれでお願いします。」

 

そして、荷物のチェックインなどをやっていると

さらに担当者の様子がおかしくなり

 

担当者:

「ん~やっぱり、もう一本早い便にしましょうか?

乗換に余裕を持たせるために、念には念を入れておきましょう!」

 

自分:「え、マジですか…。でも何時ですか?」

 

ちょっと気まずそうな顔をしてから答えた。

 

 

 

担当者:「今です。」

 

 

 

え、「なう」?

 

 

 

担当者:「いや、絶対これにしましょう!

ということで今すぐ搭乗口まで走って下さい!!」

 

 

どっひゃ~~~!!!!

どういうことだよ!!!

 

しかし、反論する間もなく

荷物を取り出すまもなく強制チェックインさせられ

なぜかパソコンだけ持たされ…

 

担当者:「はい、じゃあダッシュで走って下さい!」

 

ダダダダダっっーーー!!

 

静かな空港内をなぜかもうダッシュで走るアジア人。

すれ違う人たちが、何だなんだ?と振り返る。

 

くっそ~、こんなはずじゃなかったのに。。。泣

というか、乗換で余裕を持たせるために、今走ったら本末転倒だろ!

 

並んでいた荷物検査も強引に先にしてもらって

どうにか搭乗口が前方に見えた!

 

いや、もう誰も並んでいない!

 

搭乗終了か!?

 

俺:「ま、待って下さーい!!!!」

 

搭乗口に駆け込んだ。

 

俺:「待って下さい!僕も急遽この便になりました!はい、これ搭乗券!!」

 

受付のおじさんがきょとんとした目つきでこちらを見ている。

 

 

ん?どうした?なんで受け取らない?

 

 

俺:「ほら搭乗券です!まだ間に合ってますよね!?」

 

ニコリと笑うおじさん。

そして、後ろを指さして、ふり返って見なさいと言う。

 

(振り返ってみた…)

 

 

あ。。。

 

 

搭乗を席で待つ100人ほどの人。

 

 

まさか。。。

 

 

職員のおじさん:「安心して下さい。飛行機が遅れています。」

 

 

ふざけんなよ…

何のために走らせたんだよ。。

 

 

こうして、ようやくパナマに飛び立った僕。

 

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(南国ちっくすぎるカルタヘナの空港)

 

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(小さい飛行機なので、直接こうやって階段から乗り込む♪)

 

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(南国カルタヘナの機内は暑い。クラ―強くしてよ。)

 

18 (1)

 

そして、首都ボゴタでの乗り継ぎを経て

深夜2時、パナマの国際空港に到着した。

 

IMG_1326

 

一ヶ月にもおよんだ僕らのパナマ渡航、これにて終了。

 

 

ラストに向けてお願いします!

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