10時に起き、30秒後には目の前にあるNGOの事務所に入った。若干寝坊したから急いでるんだ。 そこでアラル海への道を教えてもらい、ガソリン、そして水と朝飯も調達して急いで街をでる。
街を出るとラクダの群れが道を占拠して通してくれない。ここじゃあラクダは自分が偉いと思ってるのか、いやにふてぶてしい。よーく見てみると、実はラクダも一頭一頭結構個性があったりして面白い。さっぱりモヒカンみたいなたて髪をしたイケメンもいれば、アフロヘアーをしたロナウジニョーニョみたいな顔をした変な奴もいる。プッてなる
街を出て5km程行くとダート区間にはいって、ひたすらガタゴトガタゴトいいながら進む。悪路にも慣れてきたのか、多少の衝撃も問題視しなくなってきた。良くないな、気を付けねばよ。
周りを見渡せば、一面の草原の中に、時折、淡いブルーをした神秘的な池があって馬やラクダが水浴びしてたりする。そんな光景に一瞬見入ってしまうのだが、油断してるとすぐ穴ぼこにボこっ!てタイヤをとられてしまう。
さらに行くと、道路わきにラクダいたのでバナナをあげてみた。さらに調子に乗ってバナナの皮を頭にのっけて遊んでたら、怒って追ってきたからダッシュで車にはいってドアを閉めた。ラクダの本気は恐いよ、マジで。
そして、次の街でそこから先の道を教えてもらい、その通りすすむとすぐにもはや道路というより、ただの草原を突っ走るようになる。
何度もでこぼこぼこすること1時間半、ついにアラル海現れた!大草原のかなたに真っ青な海面がうっすら顔をのぞかせている。さらに進み、海際にある集落を過ぎると、視界がぱっとひらけ海浜が眼前に現れた。とんでもなく澄んだ水。見渡す限り人工物は小さいボートが数隻あるのみ。まさに絶景、しかもそこにいるのは俺らだけ。
早速、俺は水着に着替えて海へダッシュ。思いのほか水は冷たく、うわってなったがそれでも気持ちぃ。車の方を振り返ると、隆が変なシマウマみたいなパンツでこっちで向かってくる。どうも水着を持ってこなかったらしい。そして、シャンプーを受け取り念願の洗髪。20世紀最大の環境問題と言われるアラル海でシャンプーをするのはどうも気が引けるが、そんなことはかまってられない。すみません!と心に思いながら、思いっきりいったよ。昨日のサッカー後のドロドロばさばさの髪の毛は3回目くらいのシャンプーでやっと泡立つ。そんで最後は、水にダイブしてがぁーっと洗い流す。人生最高のシャンプーだ。
そんな浮かれ気分も程ほどにして、引き返すことに。ここからはとにかく早くアルマティに戻りたい。少しでも、早く、風呂に入りたい。シャンプーしたといっても結局は海水、髪はバキバキ、体はべとべとだ。というわけで、帰りは隆の運転で出発だ。
出発して俺はすぐ寝た。1時間くらい寝てたらしいのだが、車体の余りの揺れに起きてしまった。ふと外を見ると、行きは通った覚えのないとんでもない道というか泥沼の中をどうにかこうにか進んでいた。
「こんなとこ通ったっけ?」隆「いや、海を出てかなり早い段階で道を間違えたっぽい」。「いや、そしたら引き返そうぜ。」
もしかしたらこの道でも行けるかもしれないが、とにかくだだっ広い草原を若干のタイヤの跡を頼りに進んでるんだ、へたなリスクはとれない。早速引き返すことに。結局2時間くらいかけて、海まで戻り、そっからまたもときた道へ入った。すぐに引き返せばよかったのに…
午後7時ごろ何とかアラルの街に帰りつき、ほっと一息をつく。今日はもう暗くなるので街を出るのは明日にして、今日もまた昨日と同じバーで居座ることに。店を入ると、店員の微妙な笑顔が出迎えてくれ、俺らはそそくさと昨日と同じ席についた。