アフリカのゴールはケープタウン。何故か分からないけど、世界一周を思い立った時から、地図を見る前から、なんとなくそう思ってた。「喜望峰へ」。旅人にとってのロマンだ。
それがもう目前なんだ。まだ旅は続くけど、それでも、「本当にここまで来たのか…」と不思議な気持ちになる。でも、毎日前に進むことしか考えてなかったので、特にそこまでの感慨深さはない。
毎日がむしゃらに走っていたら、ある日突然「あ、もうそんなに来てたのか」とはっとした、ってな具合だ。
このあとを考えると、そんな余裕もないのかもしれない。まぁ、喜望峰まで行ったら、また違ってくるのかもしれない。
予定通り、11時頃にはケープタウンに入った。アフリカでは見たこともない近代的な高層ビルがあちこちにそびえ立っているが、不思議と驚くこともない。「おー」とはなっても、ナミビアからはもう発展していたし、「やっぱりケープタウンはすごいな〜」と思うくらいだ。
しかし、逆にそれがあまりにも、郊外に延々広がっていたスラムと対照的すぎて、衝撃をうけた。他の国では、首都の中心と言えども、お世辞にも綺麗とは言えず、だから、言葉は悪いがスラムを見ても、どこかその延長線上にあるように思えて、驚かなかった。
けど、今目の前にあるのは全く違う。中心はロンドンのような華やかで美しく洗練された街並み。それが少しでも郊外を走ろうものなら、柵に囲まれた区域の中に、延々、トタンで作られた粗末な小屋がびっしり並んでいる。どういうことだ、一瞬意味が分からなくなる。
とりあえず、今日は天気も悪いので、喜望峰に行くのは明日にして、事前に連絡をとっていた車の輸送会社に出向く。
事前のメールでも誠実に対応してもらっていたが、実際に会うとこれまた親切にしてくれる。出されたコーヒーを飲みながら談笑しているうちに、あれよあれよというまに段取りが決まった。おーー!これは早い。車も保管してもらえることになったので、あとは車の修理が終わり次第、待ちに待った日本への一時帰国だ!やった!
夜は半年ぶりのマクドナルドさん駐車場で寝る。
小雨も降っていて、車内は寒い。