8時頃に起きた。
7時くらいに砂漠に向けて出ようかと思ってたけど、これじゃ結局、ヒデさん達ツアー組と同じくらいに出発することにまりそうだ。
昨日あまりに眠くて歯磨きをせず寝てしまったので、まずはそれからだ。まだ誰もいないホステルの中庭で、シャカシャカという音だけが静かに響く。中庭全体が木の陰になっていて涼しい。何とも気分の良い朝だ。
でも、今日でリカさんともお別れか..
そう、リカさんは、ここナミビアで後続のフランス人夫婦とオランダ人夫婦の2台と合流し、3台並走で、今度は一転北上してエジプトを目指すんだ。だからここでお別れ
気づけば半年近くも一緒に旅をしていたんだ、
自然とこれまでの事が走馬灯のように頭をめぐる。
…ろくでもないことばかりだった気がする。ぞっとする程に…
合流の初っぱなから波乱だった。
いきなり会ったら、「マラケシュで商売したいから、ここに1ヶ月滞在したい!出来れば手伝って!」という今から考えれば、かなり勝手なことを言っていた。
それでも、僕らが不思議に思うほどに全力で一緒にやってくれて、助けられたと同時に、本当に一緒にやれて楽しかった。
その後も波乱は続く。
自分が失態を重ねた結果、モロッコを南北に2往復するという、意味不明な行動をとるはめになった。これは色んな人に迷惑をかけたので本当に反省してます。ごめんなさい…
そしてこの辺りから、自分とリカさんが正面衝突することも多くなった。もともと互いに、強引に物事を進めていくたちだったから、ことあるごとにぶつかった。
あまり話をを美化してると、またリカさんに「いつもきれいごとばっかり!」と怒られてしまうが、実際はかなり壮絶だった。
モロッコ以南のサハラ砂漠で、何回、車を降り、降ろされたことか!
「もういい!なら降りる!」と言っていたのだ(笑)
でも、何かにつけて、結局向こうがいつも正しかった。初めのうちは俺もここまでユーラシアを横断してきた自信があったから、いろいろ言ってたけど、こうまですべてにおいて向こうが正しいとなってくると、「これが経験の差なのか…(リカさんはアメリカ在住が長いし、その時に北中米を車でまわっていた)」と次第に、これは敵わないなと思うようになった。
一時期はよく「馬鹿にしてるでしょ!」と言われてたけど、とんでもない。
日本からの運転もずっと一人(俺らは2人なのに俺の口癖は「疲れた〜」w)、ネットの仕事もて手を抜かずに明け方まで作業をする姿には、本当に感服していた。というより、こんなに強い人がこの世にはいるんだな、と驚いた。
この旅で一番学んだのはリカさんからじゃないかと思うほどだ。挙げればキリがないけど、旅の情報の集め方や見極め方といったことから、現地の人とどう接すればいいのか、海外にいても、いやいるからこそ自分というものをしっかりと持って主張するところはしっかりするんだというリカさんの姿勢、生き方に至るまで、今思えばすべてが勉強だった。
特に、誰でも味方にしてしまうあの雰囲気はどういうことだろうか。いや無理でしょ!みたいなことでも、リカさんが頼めば、本当にすんなりOKになってしまうんだ。さっきまでブチ切れていた相手も一度リカさんに接すれば、気づいたら味方になって、こっちのために動いてくれてる。まさにリカさんマジックだ。
どこにいても、リカさんは「Rika!Rika!」と皆に愛されてた。すごいなと思うと同時に、これは、どう頑張っても自分には真似できないなと思った。
合流してからのスケジュールやルート、細かい情報などはほとんどこっちで調べて決めていたけど、後ろにリカサンがいて、いつでも相談できることの安心感はすごかった。
だから、逆に甘えてしまった部分も多々あった。
これからは、再び隆と2人の旅になるわけだから甘えることもできない。
リカさんの安全の傘から出るんだから。
これまで本当に有難うRika!!
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朝食をリカさんたちと便乗してタダでもらいうける。
そして、リカさんとの最後の別れをして、出発する。サイドミラー越しに見ても、もう後ろにハイエースは走っていない。泣きそうになった
順調にナミブ砂漠についた。これならギリギリ日没の絶景に間に合いそうだ。
と思ったまさにその時だ。舗装路が終わって、目的地までの最後の5kmに入ってすぐだ。
砂に思いっきりタイヤを取られて身動きが取れなくなった。枝を集めて敷いてもだめ、何をやってもだめ。いつの間にか日もすっかり沈んでいた…
結局、もう遅く、誰も通らなかったので、この日はここで野宿とあいなった。とほほ…キャンプ場にお金も払ってたのに。