2012年7月27日 林 季一郎

ボスニア紛争の爪痕

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7時ちょうどに起きた。思ったより早く起きたもんだから、しばし、山頂をぶらぶらする。上から見下ろす城壁とアドリア海は昨夜とは違ってまたいい。鼻が詰まっていることを除けば、すがすがしい朝だ。

8時に山を下り、そのまま町を出た。姉の友人のクロアチア人の家に泊めてもらう予定だったが、その人たちがバカンスに出かけて宿泊が無理になったので、急遽ルートを変更して、ここから海岸線を離れてボスニアに入るんだ。

国境も簡単に越え、途中でナイアガラのミニ版と呼ばれる滝に寄ってみる。いわゆる絶景だ。絶景慣れした俺でもそう思うんだから、まぁたいしたもんだ…ははは。11:30泳ぎ疲れたところで車に戻って再出発、結局、隆は泳がなかった、体調でも悪いのだろうか。

12:30昼飯休憩のため、Mosterという街に立ち寄る。

車を止めてレストランへ向う間、街のいたるところにボスニア紛争(1992~95年)で破壊された建物がそのままの状態で残っている。なんという光景か。小さな銃弾の跡から、砲弾で完全に穴をあけられた箇所、爆発で内部が真っ黒に焼け焦げたところまで、全てがそのままあるのだ。

もちろん、そのような建物の周りは柵で囲まれ、「DANGER!」と書かれてはいるものの、誰でも入れそうだ。さらにその数も半端ではない、通りによっては1/3がそのような廃墟で、それらが街の一部であるかのような錯覚に陥る。今も立て直しを待っているそうだが、いつになるのかは正直わからないという。

もちろんそれでも、街では普通に生活を送る人がいるわけで、その点、平和な日本で生きてきた俺からしたらこんな所で生活することに対する違和感はすごい。

飯を済ませ、とはいっても「一回腹の中をリセットするんだ」と謎の事を言い、朝から何も口にしない隆は黙ってiPhoneいじっていたが、とにかく街をでて首都サラエボを目指す。

泳ぎ疲れで爆睡すること2時間あまり、サラエボに入った。想像以上に都会だ。それも西欧のような、歴史を感じさせる美しい街並みだ。細い道をどうにか進みお目当てのホステルを探し当てた。レセプションに顔を出すと、もう一人分しかベッドの空きがないという。知り合いがやってると言う近くのホステルにも連絡してもらうが、満室だそうだ。んーそうか、そしたらシャワーだけでも…。いいですよ、1人5ユーロで。むむ、そこを何とか…

結局1人3.5ユーロにしてくれた。でもシャワーに入った後に財布を見たら二人で4ユーロしかない…しょうがないですね、それでいいですよ。あざす!

久しぶりのベッド睡眠とはならなかったけど、12日ぶりのまともなシャワーで生き返る。身体がリフレッシュされると、精神的にも大分回復するようだ、気分がいい。その後はカフェでしばし作業をしたのち車中泊。

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