2012年12月24日 林 季一郎

クリスマスイブは砂漠の町で

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またしても前回同様、周りの車のエンジン音で目が覚めた。と同時に、前の車が一台分進み、その空いたスペースに後ろの車が割り込んできた!なんという早技、そしてなんというルール無視。絶対に許さないというりかさんが抗議しに行った。

それにしても今日は列がやけに長いな。前回の3倍くらいの車が並んでいるんじゃないだろうか。まぁ一度ここを通っている俺らは慣れたもんで、すんなり国境を通過。さらにモーリタニア側もすんなり通過。あとは延々、何もない大地を走り続けるのみだ。

何も無い。いや、本当に何も無いんだから驚く。あると言えば、ときどき道路わきにポツポツと立っているボロ小屋だ。一応集落のようだが、どう考えても人が住めるとは思えない、まさに不毛な大地だ。なぜ人はこんなところに住もうと思ったんだろうかと不思議に思えてくる。俺らには到底分からないことだ。世界には「本当に理解できない」ことがあると思う。理解しようとしても、結局、勝手に個人的に解釈するしかない、アフリカに入ってから、そんなことばかりだ。

そして夜になると、初めての町に入った。ここまで400km、本当に町が一つもなかった。しかし、この町ヌアクショットも、日本からしたら町を呼ぶにはかなり怪しい。なんと言ったって、電灯とかの明かりがあまりないので、とにかく町が暗い。暗闇の中に、ポツンポツンと明かりがある、というイメージだ。これで首都っていうんだから面白い。本当に何も無いんだから、国とも思えない。モロッコと対立してると言うけど、勝てるわけがなかろう。何もないんだから

失礼なことを言いすぎた。今日はここでおやすみ。なんか落ち着く

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