2013年3月12日 林 季一郎

テントを刃物で切られる

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スライドショーやらポストカードの発送をしてたら、出発が遅れてしまった。11時頃ようやく首都ヤウンデを出る。

2年前の情報とは違い、すでに舗装工事の終わった東部への道路は、綺麗そのもの。「とんでもない道路」というのはもう昔のことらしい。

順調に走る車とは裏腹に、空模様が怪しくなってきた。雨は降っていないものの、空一円をどんよりとした雲が覆っている。

日が沈む頃には、ポツポツと雨が降り出した。
暗闇の向こうの方では、連続的にピカッと光柱が落ちている。向こうは豪雨なのだろうか。不安が増す。

今日の目的地のBertouaの町に入る頃には、四方全てを雷が立て続けに落ちていた。この世の終りだ。暗澹たる気持ちと同時に、明日以降の未知の世界への期待が高まっていく。

町に入り、夕食も済ませ、ガソリンスタンド脇に寝床を確保した。大抵のスタンドには、従業員用のシャワーが併設されているから、便利なんだ。

そして、シャワーを浴びて気持ちよく、事前に張っておいたテントに戻ったときだ。

あっ!!!テントに穴が空いてる!
げっ、しかもこれ完全に刃物か何かで切られてるな。幸い中には毛布しか置いてなかったから良かったものの、まったくふざけた奴らだ。せめて、ちゃんとチャックがあるんだから、それを使って開けてくれよ。俺の大切なテントを、許さん!

そして怒りを沈めて寝た…はずだった。

カサカサ…カサカサ…

1時間ほどして、周りの物音で目が覚めた。
なんだよ今度は。

メッシュで透けている側面から外をみると、子供が3、4人、じろじろこっちを見てる。おいおい、そんなに目の前でみるなよ。

「ニーハオ」と言われたので、テキトーに「ニーハオ」と返す。
すると、また「ニーハオ」とくる。それが4、5回くりかえされる。

(こいつらおちょくってんな)イライラ

面倒なので、無視していると、さらにエスカレートして、今度は、直接テントを叩いてきた。ゲラゲラ笑ってやがる。

イライラが募る。まさか、こいつらがテント切りの犯人か?

バンバン、バンバン!外での騒ぎはエスカレートする一方だ….

もう許さない。怒りが限界を超えた。ぶっ飛ばす!
バッっとテントから飛び出す。驚いた少年たちは逃げる。

絶対に許さない。俺のテントの恨みだ。もうこの際だれでもいいわ!

逃げる彼ら。追う俺。深夜の路地裏を5人が駆ける。もう絶対に許さない!

ぎゃーーっと逃げ回るやつら。テントの恨みーーーーー!!!!

ダダダダ!バタバタ!
深夜の路地裏に響く足音。

そして、はっとして気づいた。
やべ、そういえばパンツ一丁だったんだ俺….

瞬間我にかえる。そして、恥ずかしさを堪えながらテントに戻った。おやすみ

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