2013年1月29日 林 季一郎

雇用主と従業員と人種

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昨日見つけておいた、車屋に朝から向かう。

オイル交換やら色々点検してもらうんだ。思いのほか順調に作業も終わった。

 

ちなみに、悪路でぐちゃぐちゃになった車底のパネルは、結局もういらないや!ということになり、

取り外して終わり。まぁ、あそこは大丈夫でしょう。

軽量化!軽量化!ははは..!

 

「バカヤロー!!お前はクレイジーか!!!!」

また隣で罵声が飛ぶ。

 

ここのオーナーがトルコ人なのだが、その人のここで働くガーナ人のエンジニアに対する態度がすごいんだ。さっきから、罵倒し放題で、そのガーナ人が気の毒になってしょうがない。でも、アフリカでは、そういう関係が普通なようなんだ。

ある程度のお店やホテルなら確実に、白人・黄色人種のオーナー・上司と、黒人の従業員という関係があって、そこの間には埋めがたい溝があるようだ。今まで見てる感じ、お互いがお互いを信用していない。特にオーナー側は全くと言っていいほど、黒人を信用していない。

モール内のいつも使っているカフェのレバノン人オーナーも「彼らは本当に信用できない。だからこうやって常に監視してるのさ」と言う。実際の話をきいていると、確かに、と思うところもある。要するに、サービス業に対する基本的なところでの価値観が違いすぎるんだろう。

日本にいれば、そんな人種間の違いなんて意識することはない。
だから、こっちでその現実を見せつけられると、どうしても表面上、倫理的に抵抗を感じてしまうが、それこそ普通ではないのかもしれない。さらにもっとドロドロとした感情が根底にはある気もする。

旅に出てから、うすうすは気が付いていた、違う人種の人たちに対する差別意識。
差別意識なんか持っていないと思っていた自分が、実は心の底ではしっかりと根付いていたんだから、目を背けたくなる。

彼らの態度を見ていると、自分の中のいけないものを見ているようで、本当に気分が悪くなる。
「違う!俺はそんなことは思わないはずだ」と表面上は言っていても、実際にそういう場面に遭遇すれば自分もそうなる。

正直に言うと、この間空港で揉めたときも、最後にはガーナ人の彼らに対して、失礼なことを感情的に発してしまった。
あまりにもイライラしていたのでついうっかり、とか言うことじゃない。もともと持っていた感情だったのだろう。

それが良いか悪いか、そんなこと考えたくもない。ただ、それがあることだけは自分で受け入れなければならない。

俺らは、別に何か誰かに伝えたいメッセージがあるわけでもない。もちろんそんなことを言う資格もない。でも、自分のことだけは正直に書いていこうと思ってる。

世界には僕らには到底理解できないものがあって、それを正確に伝える方法なんてないと思う。それでも、僕らの旅のありのままを見せることで、見る人が、それぞれ違ったふうに世界を感じとってもらえればそれでいい。そう思っているから。

気を取り直して、次はバッテリー交換をしにいく。
そのあとは、各自適当にネットで作業して一日おわり。

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